おれはキャプテンのレビュー

95位:おれはキャプテン

作者:コージィ城倉
出版社:講談社 少年マガジン
発売日:2004/3/17
完結済み


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あらすじ

東京・狛江市にある公立中学校「狛駒中学校」野球部では、次期キャプテンが誰になるのかの話題で持ちきりとなっていた。その野球部に所属する霧隠主将は影の薄い補欠選手であり、部活にも熱心ではなく、家で引きこもりがちな生活を送り、その事を心配した母親が、担任であり野球部の顧問である教師に相談した所、荒療治として野球部のキャプテンに指名してしまう。最初は本人も戸惑い、他の部員からも反発されるが、キャプテンとなった主将は、自らハードなトレーニングを課し、独創的な指揮を発揮し、反発していた部員達も徐々に引き込まれていく。


ストリー展開は、主人公の霧隠主将が野球部のメンバーを鍛えながら甲子園を目指すというシンプルな話です。
ただし、既存の考え方に反発をもっていた霧隠主将は自分の考えを通すために自ら私立の新設校に通う決断を下して、既存の高校野球を否定する方法で甲子園を目指します。
とこんな感じで主人公の霧隠主将は悪だくみも計りつつなキャラクターで私は好きですな。
絶対的な才能が無い分を知略を駆使してカバーしていく展開は大好物です。
主人公に若干の悪さがある方が面白くないですか?

野球漫画の王道としての甲子園を目指す展開なのに、描かれているストーリーは邪道な精神で描かれあり、一般的な野球漫画とは一線を画してますね。
言ってみれば、あだち充のタッチとは対極なもの仕上がっている気がします。

amasonから気に入ったレビューを抜粋

読み返してみてもやっぱり面白い

中学から始まって、本巻で高校3年生の夏、つまり高校野球の終わりまでが描かれたわけですが
一区切りつくごとに物語の空気がガラっと変わっていくのが上手いな~と。
作者の独特のユーモアセンスもあり、35巻の長編を飽きずに読ませる力があります。

元々甲子園優勝を目指すような物語ではなく、中高における野球の現実味をある程度保った内容であったため
若干歯切れの悪いところで物語が終わってしまいますが、同作者のロクダイがタイトルこそ変わったものの直接的な続編ですのでご心配なく。

コージィの集大成、これは必ずや歴史的漫画になる。

コージィ城倉が、すでに少年チャンピオンで森高夕次名義で原作担当の「ショー・バン」という王道中学野球漫画の連載を抱えながら、なお自ら筆を振るうことになったのがこの「おれはキャプテン」である。
 題名、そして絵柄や筆のタッチからびしびし伝わるように、これは伝説的漫画家・ちばあきおによる伝説的野球漫画「キャプテン」へのオマージュ作品である。コージィは以前コミックのあとがきで、「すべての漫画はそれ以前に存在する漫画の影響を受けているもの。それらを敬い作品を生み出す事が大事」というようなことを言っていたが、今作はそれが形になったものだろう。
 彼はあまり名を知られていないが、コンスタントに野球漫画を発表しつづけてきている。「かんとく」、「砂漠の野球部」、「グラス・ブレス」・・・ それらを読んで、心から野球を愛している人の描く野球漫画は、やはりおもしろいと思った。コージィは心から野球を愛す男だ。読めばすぐ分かる。したがって彼の描く野球漫画はどれもケッサクだ。
 技術面でも、非常に丁寧な漫画作りに好感が持てる。トーンの使用を極力抑えて、アミカケなどの技を駆使するあたり、真のプロとは何かをあらためてわからせてくれる。単行本のデザインも素晴らしい。これは間違いなく、歴史に残る大傑作になる。間違いない。

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