BTOOOMのレビュー

58位:BTOOOM

作者:井上 淳哉
出版社:BUNCH
発売日:2009/10/9
連載中


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あらすじ

全世界で300万本以上売れているこのゲームの武器に、銃の類はない。BIMと呼ばれる爆弾のみだ。22歳になっても職に就けず、さえない日々を送るだけの人生。それが俺、坂本竜太(さかもとりょうた)の人生――。だが、このBTOOOM!】というネットゲームの世界では、俺は誰よりも強く、誰よりも尊敬され、そして、誰よりも偉かった――。しかし今、俺がしているゲームは仮想(バーチャル)ではない。現実(リアル)だ。 無人島で、BIMを持たされ、戦う意味すらわからないまま、人殺しを強要される。理由もわからず連れてこられたプレイヤーたちによる、生き残りゲームが今始まる!


ネットゲームを現実の無人島で実施するサバイバルバトル漫画。
バトルロワイヤルにネットゲームの要素を加えた感じで、武器は各種の爆弾。ガス爆弾や追尾式の爆弾といった様々な爆弾を手にお互いのチップを奪い合うことで島から脱出できる設定です。
参加者のほとんどは、ゲーム内容を知らされずに島に集められますが、中には事前にゲームを調べたり、前回覇者とかも参加してます。
そのなかで、ネットゲームのバーチャル空間では無敵の強さを誇っているゲーマーの坂本竜太が主人公。最初は現実世界の実戦に戸惑いながらもゲームで培ったテクニックと心理戦で次々と敵を撃破していきます。
心理戦と近未来的な爆弾の応酬にはワクワクさせてもらえます。

漫画の展開としては、そこまでグロテスクな描写は少ないですが、人間の醜さやしたたかさが描かれてるので私の好物ですね。
バトルロワイヤルみたいな、ただただ殺戮と人間描写よりもネットゲームの要素を追加している分、より漫画らしくなってる気がします。

amasonから気に入ったレビューを抜粋

サバイバル・アクション・バトル・爆弾・シリアス

映画の「バトルロワイヤル」のように一定のエリア内で、参加者同士で爆弾を使って殺し合いをやる物語。

武器の爆弾は最初に各プレイヤーにそれぞれ8個ずつ配られます。爆弾には様々なタイプがあり、それぞれ一長一短があるので、自分の爆弾にあった戦い方ができるかが戦術上重要なのと、他にも細かいルールなどがあって、そのルールをどれだけ熟知しているかということが大事になる模様。まさにリアル「ボンバーマン」。

一見、武器が爆弾という目新しさがあるだけで、中身はよくありそうな話ではあるんですが……。

ただ登場人物の描かれ方が個人的に良かったので、面白く読ませていただきました。

主人公は22歳のニートでゲーマーという設定ですが、あまりそういう感じはしない。一人称は「オレ」。ヴィジュアル的にはデスノートの夜神月や、LIAR GAMEの秋山深一のような感じですが、作中のゲームに限っては天才的ではあるものの、そこまで自信過剰な天才肌というわけではなく、人並みに恐怖や不安を感じたりはするし、一方で母親を怒鳴り付けたり、父親に暴力を振るったりと、非常に駄目で人間くさい面も持ち合わせています。細かいことですが一応年配の人間には敬語を使う。強いて言うなら「GANTZ」の主人公の玄野計に良く似た感じの印象を持ちました。

また主人公が、いきなりヒロインと出会って行動を共にすると言ったお約束の展開に持って行かなかったのは個人的には良かったです。最初に出会うパートナーは関西人のオヤジですから。ヒロインもちょっと今風のギャルっぽく、主人公に媚びる感じでもない。この作品、「萌え」や「ギャグ」といった要素は殆どないです。

後はゲーム自体、勝者は一人である必要はないので、主人公以外の登場人物も生き残れる可能性があり、多少は物語に幅を持たせられるかなと思います。

全体として「青年誌版のジャンプ漫画」というのが7巻まで読んだ印象です。かなり無茶苦茶な舞台設定を用意しておきながら、ストーリー自体はひたすら真面目に描いているという感じです。こういうジャンルのものが嫌いでなければ、大人でも楽しめるかと思います。

ギャグのひとかけらも無いシリアスな開幕。

 「おとぎ奉り」やゲーム絵師としての氏のファンの人たちは
”笑い”や”萌え”が皆無に等しい作品なのでビックリするでしょう。

 ヒロインと思しき少女のサービスカットが少しだけあるとはいえ、
命のやりとりを扱ったテーマだけに全編にわたってシリアスな内容。

 ストーリーはゲームでいえば”チュートリアル”が終わった程度。
ストーリー・設定面での評価は保留としておいても、
丁寧に描かれた人物と背景は月刊誌から週刊誌(本作は現在 月刊誌で連載)
への仕事に移っても期待以上の仕上がりですばらしいと思います。
 
オビの裏面は少々ネタバレっぽいのであとから読む方がいい気が・・・。

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