20世紀少年のレビュー

84位:20世紀少年

作者:浦沢 直樹
出版社:ビッグコミックス
発売日:2000/1
完結済み


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Amazonmaou

あらすじ

高度成長による「夢と希望」に満ちあふれていた時代から、一転して経済は停滞しオカルトブームが起き、世界滅亡の空気まで漂いはじめた、1970年前後。

そんな時代に少年たちが空想した未来。地球滅亡をもくろむ悪の組織、東京を破壊し尽くす巨大ロボット。世界は混沌とし、滅亡に向かっていく。それに立ち向かい地球を救う、勧善懲悪の正義のヒーローとその仲間たち。こんな下らないストーリーを“よげんの書”と、少年たちは名付けた。しかし大人になるにつれ、そんな空想の記憶は薄れていく。


浦沢 直樹先生の作品はどれも外れがありません。
そのなかから私が一番好きな作品が20世紀少年。
はでなアクションはないですが、リアリティあふれる作品に仕上がってる感じがいいです。ストーリー自体には、リアリティはないですが、なんか現実世界でも起こりそうな想像しやすい世界観で主役わき役のどれにでも感情移入ができます。

特に敵役が日本を乗っ取るために作成されたロボットのポンコツぶりや日本を乗っ取ったあとの建物のポンコツぶりなんかは、現実世界の経済を考えてもこのぐらいが限界だろうというところをうまく描かれてあるのはさすがです。

なんか、漫画のすべてリアルの延長に感じられる世界観が私のおすすめポイント。派手なアクションも多くない割には、ハラハラドキドキな展開がまってます。

この作品から大人になって思うことは、確かに子供のころに描いていた大人にはなれなかったな。。。

amasonから気に入ったレビューを抜粋

痛い作品

「痛い」と言っても、「痛いヤツ」、「痛車」の「痛い」じゃ無くて、
本当に「胸が痛くなる」作品。あの世代を生きた俺には。
風呂敷広げ過ぎとか、尻すぼみとか、そんなのは在る意味関係無い。

もう思い当たる事、忘れてた事、忘れたい事のてんこ盛り。
ケンヂが羨ましいよ。ガキの頃のあれやこれやにケリをつけられたんだから。
“ともだち”も羨ましいね。ガキの頃の夢を実現したんだから。それが悪夢とは言え。

ケリをつけられなかった事、叶わなかった他愛の無い夢を胸の奥から次から次へと引っ張り出されて見せられてる感じ。

楽しかった事、嫌だった事、両方思い出させるこの作品はやっぱりスゴいんだろうな。
違う世代の人にはどう感じられるのかはわからんけどね。

設定は好きだけど

今さらですが、完読。
熱い。おもしろい。でも、微妙。
謎が謎として残るのは良いんだけれど、何か中途半端な感じが。
みんな言うように、5巻までは最高。その後も面白い箇所もあるんだけれど、通して見ると盛り上がりに欠ける。
設定もキャラも非常に良いのに。
年代的にドンピシャの人たちにとっては何とも言えないんだろうけど。
まあ、おもしろいんですけどね。

あの時代なんだ・・・みんな同じだった

 全巻読んだ後に、もう一度、映画を観て、間違いなく感じたこと・・・あの時代、昭和を子供として共有していないと・・・わくわくしないのかもしれない
 日常の一日が、大人になってからの何日にも相当する程、いろんな事が起こったあの時代を、言葉でいくら説明しても伝わらないのだろう・・・
 それでも、漫画は丁寧に細部にまで描きだしているのだ、映画では描ききれない、漫画だマンガ・・・すべてがあの時代に繋がっている
 「万博」は1970年3月から9月まで開催されていたが、絶対に「夏休み」なんだ、とか「ウッドストック」とか、いくら説明しても説明できない、あの気持ちが判らないと、この作品は理解できないのかも知れない
 「本格科学冒険漫画」と言う言葉を、正直に受け取ってしまっては駄目だ、この言葉にさえ、当時の匂いがプンプンしている、判る人には判る・・・赤と黒と青のインクが、ざらざらの紙に印刷されている本を思い出せるか・・・
 確かに、時代を共有できない人が愉しめない様なストーリーは問題があるのかもしれないが、万人に受ける漫画もいいが、コマに描かれている匂いまで感じられるのは、今ではこの漫画だけだろう
 我々はなんて楽しい時代を過ごしてきたのだろう・・・ただし単にノスタルジックになるだけの作品ではない、あの当時の感性が、未来につながって行くストーリー
 まだまだ空地が近所にあって、駄菓子屋は必ず婆さんが店番してて、なんてそんな時代を知っている人にはたまらない作品だ

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