アイアムアヒーローのレビュー

45位:アイアムアヒーロー

作者:花沢健吾
出版社:ビッグコミックス
発売日:2009/8/28
連載中


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あらすじ

主人公・鈴木英雄は、漫画家のさえない35歳。デビュー作は早々に打ち切られ、借金も背負い、アシスタントをしながら再デビューを目指す日々が3年。何もかもが上手くいかず、悶々とした日々を送るなか、タクシーに轢かれて両腕と右足が潰れ首が真後ろに折れても運転手に噛み付く女性を目撃する。その時はそんなことを気に止める事もなかったが、ある日、そんな日常は崩壊を始める。英雄の眼前に繰り広げられるのは、食人鬼となった人々の姿だった。世界がパニック拡大と秩序崩壊へと覆われるパンデミックの中、英雄は果たしてヒーローとなり得るか。


普通な日常からの非日常のゾンビパニックに陥る経過をすごくリアルに描かれていて、ストーリーがどんどん引き込まれていきます。
主人公はさえない漫画家ですが、趣味のクレー射撃のために所持していた散弾銃により、ゾンビパニックを切り抜ける切り札となります。
タイトルでヒーローをうたってますが、主人公の鈴木英雄はどこにでもいそうな冴えないおっさん。ゾンビものに出てきそうなヒーローとは、全く違った性格がこの漫画のいいところかもしれません。

それと、ゾンビもので大事な襲われるシーンも迫力があり、真に迫るものがあります。それと、社会システムが崩壊した時の人間の醜さも描かれてあり、ゾンビものとしての要素は完璧。

映画にもなるぐらいの面白さですから、ぜひ読んでみてくださいな。

amasonから気に入ったレビューを抜粋

あまりにもリアルな非現実

「ごく普通の世界が、突然地獄のような世界に変わり、主人公やそれを取り巻く人達が必死に生き残ろうとする漫画」です。

しかし同ジャンルと比べると明らかにこの漫画独特の面白みがあり、それがタイトルでも述べた通り、尋常ではない現実感があるという事です。
現実から非現実への移り変わり、それに対する人々の動きが、作者の描写力もあいまって大変な現実味を帯びています。
加えて他の方もレビューで言われている通り、1巻は面白くない普通すぎる展開が続いている、という点も魅力的です。
これにより、私たちの暮らしている「現実」と漫画の「現実」を重ねてしまい、その後の「非現実」まで私たちの世界でも起こりうるのでは、と思わせてしまうのです。

最近刺激に飢えている人はどうぞこの本を読んでみてください。非常にお勧めです。

これから読み始める方へ

この漫画は1巻だけでは何の漫画だかさっぱり分かりません。
1巻はこれから始まる壮大なホラー×アクション×人間ドラマの助走期間です。
4巻くらいまでまとめて読んでください。1巻だけ読むとジャンルが分かりません。
ずばり言ってしまうと、ゾンビパニック漫画です。1巻の終盤辺りでその片鱗が垣間見えますが
1巻では、延々と等身大の主人公とそれを取り巻いている環境を説明することにページを費やしているのみです。
ここだけ読んで、これを面白い!名作だ!という人は居ないでしょう、たぶん…。
これから始まる極限状態における人間ドラマにより深みをリアリティを持たせるための
序章なのです。
尚、最新刊の16巻まで読みましたが、そこで話は一端の一区切りが付いています。
映画化するということなので、それを見越しての、一つの落ちをそこで付けたような気がします。
是非、16巻まで読んでその衝撃的結末を見届けてください。

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