I”s(アイズ)のレビュー

48位:I”s<アイズ>

作者:桂 正和
出版社:ジャンプ
発売日:1997
完結済み


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Amazonmaou

あらすじ

私立湾田高校に通う高校2年生瀬戸一貴は同じクラスの葦月伊織に1年生の頃から恋心を抱いていた。そんな彼に葦月と二人で「新入生ようこそパーティ」の実行委員をやるという幸運が訪れる。徐々に葦月と打ち解けてきた頃、突然に彼を想う幼馴染み秋葉いつきが現れる。「葦月への想い」と「いつきの想い」の間で一貴は揺れ動く事となった。


私がちょうど高校生のころに連載されていた作品で、まさしく高校生の心理描写を的確に表現されていた漫画です。
もうね、少年誌における傑作のラブストーリーです。当時は大多数の男がもろ手を挙げて賞賛したはず。

主人公の瀬戸一貴には、感情移入しまくりで好きな女の子に対しての逆走君な態度には私自身のことを書いているんじゃないのかと思ってしまうほど、思春期特有の行動パターンです。
そんな逆走君な態度をとりつつ惚れた女の子の葦月伊織と徐々に仲良くなっていく経過のむず痒いことこの上なし。

私もこんな青春を送りたかったです。

あと、桂 正和先生の描くちょいエロシーンも最高。男心をくすぐる画力は最高です。

amasonから気に入ったレビューを抜粋

画の上手さは漫画界で1・2を争う。ラブストーリーとして十分な出来栄え。

完全版で初めてキチンと最初から読んでいます。

何よりも桂先生による画のクオリティが激高!
漫画界でも「シティ・ハンター」の北条司先生、「ヒカルの碁」の小畑健先生と並んで最高レヴェルでしょう。間違いなく。

そんな桂先生だから、様は問題はストーリーとキャラのみになると思うのです。
主人公の一貴は所謂「普通の高校生」。優柔不断でそれなりにイヤラしくもあり、たまに妄想癖も見せるという平凡な男子。
そんな彼が片想いしているのがクラスメートで学年一の美少女の「伊織ちゃん」。

物語はほとんどこの2人の心が近付いたり、離れたり、勘違いしたり、喧嘩したりすることに絞られています。
なので時間の経過が驚くほど早い展開で、無駄なキャラも登場しないため2人の関係に最初から集中されたストーリーとなっています。
ただ一貴の「優柔不断」さと独りよがりの「勘違い」が多い点は見ててイライラしたことも事実ですが、本気で人を好きになったら「期待」と「不安」から自身を見失うような行動に出てしまうものかとも思いました。

桂先生はジャンプ連載陣の中でも珍しい存在だと思います。
20巻、30巻を超えるような「大ヒット」は1本も持っていないが、「ウイングマン」「電影少女」とこの作品と15巻前後続いた「中ヒット作品」を3本も持っていらっしゃる。他にはそんな方はいらっしゃらないのではないでしょうか?。
原作者を別に付けた「ファンタジー作品」なんてのも読んでみたいと思わせる方です。

読んだことのない人はもちろん、昔読んだ人も、改めて読んで欲しい、そんな作品です。

桂正和さんのI”sは、電影少女と並んで、同氏の代表作を冠する傑作だと思います。
内容については、先の皆さんがコメントされていますし、実際に手にして読まれてるのが何よりも望ましいと思いますので当欄では触れません。
作品のカテゴリーとしては、恐らく「ラブコメ」という範疇に入るかとは思いますが、内容は純文学とも比肩したいほどの純愛(少々旧い?)ものです。
連載当時、雑破に読み飛ばしていましたが、ちょっとした懐かしさから軽い気持ちで完全版を購入し、改めて読み直してみたところ、遠い昔の恥ずかしくなるほどピュアな感覚が蘇るようで、ついつい歳も忘れてハマってしまいました。
既に人生の後半にさしかかった者にとっては、何か大事なオモイが蘇るような作品です。また、もし息子がいたならば、多感な思春期のころに一度、そして、本当の愛について考えるようになった年齢にもう一度読ませたい、そんな気持ちになる作品です。

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