聲の形のレビュー

82位:聲の形

作者:大今良時
出版社:少年マガジン
発売日:2013/11/15
完結済み


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あらすじ

将也のクラスに転校してきた硝子は聴覚障害者であり、自己紹介でノートの筆談を通じて皆んなと仲良くなる事を希望する。しかし、硝子の障害が原因で授業が止まる事が多く、同級生達はストレスを感じる一方になっていた。そして合唱コンクールで入賞を逃したことを切っ掛けに将也を始めとするクラスメイトたちは硝子をいじめの標的とするようになり、補聴器を取り上げて紛失させたり、筆談ノートを池に捨てるなどエスカレートしていった。
度重なる硝子の補聴器紛失事件を機に、彼女の母親の通報によって校長同伴による学級会が行われるが、担任の竹内はいじめの中心人物であった将也のせいだと、威圧的に追求。それに賛同する形でクラスメイト達も次々と将也のせいだと主張し始め、自分達も硝子に散々な仕打ちを行っていたにも拘らず、彼らは皆自己保身の為だけに暗黙の団結を結んで、全ての罪を将也一人になすり付けようとしたのだ。これが、あまりにも信じられない光景に愕然とする将也が、硝子に代わる新たないじめの標的となる日々の始まりだった。


題材に聴覚障害とイジメ問題を扱っているため賛否両論がある漫画です。
でも私は、主人公の将也の心の葛藤がみごとに表現されてるところにすごい共感をしてしまいます。確かに将也の思考と行動は極端な感じがするんですが、なんか若いころは何でも極端に考えてたよなーとむずがゆい気持ちにされます。

でも、いじめっ子が一転いじめられっ子になり、すべての友達を失ってしまったら絶望して死を選んでしまうのも確かかもしれませんが、死ぬ前にいじめていた聴覚障害の女の子に会いに行くところから将也の青春が転がり始めます。
ただ将也の鈍感力と周りの環境が絡み合ってむずがゆい展開は大好物でした。

最後は納得のラストで読後感は素晴らしいものがあります。

amasonから気に入ったレビューを抜粋

1巻で読むのをやめないで

小学校の時、「クラスに障害のある子がいた」という人は多いと思います。

「聲の形」第1巻の内容を簡単に説明すれば、
健常者ばかりのふつうのクラスに転校してきた
耳の聞こえない女の子を、主人公が面白半分にいじめる話です。

ただ、この作品において、1巻は単なる序章にすぎません。
2巻からが「名作」とほうぼうで囁かれるゆえんです。

正直、1巻を読んだだけでやめる読者はかなり多いと思います。
なにしろいじめの描写が酷い。
ふつうの心を持った人なら、間違いなく気分を害しますし、
ムカつくクソガキである主人公に感情移入することはほとんどできないからです。

ただ、いじめをした主人公には、当然ながら手ひどいしっぺ返しが待っています。
今まで信じていた友達も、先生も、母親も、周りの人がどんどん自分から離れていき、
女手ひとつで育ててくれた母親には、度重なる補聴器へのいたずらに対する
弁償費として百数十万もの大金を払わせることになってしまうのです。

まさに暗転。
人気者だったのに。みんないじめを見て笑っていたのに。
ひどい手のひら返しに合います。

そして主人公は中学生になり、友達が一人もいないまま高校生になります。
学校ではクラスメイトに「あいつもダメ、あいつもダメ」とペケをつけながら
ただひたすら孤独な日々をやり過ごしています。

そんな彼の目下の目標は、「死ぬこと」。

母親に補聴器の弁償費を返そうとコツコツバイトをし、
ついに百数十万を貯め、返済します。
さらに、小学校時代いじめてしまった彼女を探し出し、謝ろうと決意しています。

ここまで見れば更生した立派な少年ですが、
彼は、彼女を見つけて謝れたら「死のう」と決意しているのです。

ただ、彼は死にません。
これから先の人生、すべてこの子に捧げようと思い直すのです。

2巻以降、彼女のやさしさに触れながら、
周りの人をも巻き込んで、彼の人間関係がどんどん変わっていきます。

1巻はかなりハードですが、ささくれた心に沁みるハートフルな物語。
ぜひ一度読んでみてください。

読み応えがすごい

とにかく、読んでよかった!とおもえる作品でした。
1巻から7巻、徹夜で一気読みしちゃいました。

いじめと障害と思春期の悩みと人間関係と…
とにかくいろんなものがぎっしり詰まっていて。なにより、出てくる登場人物の造形の自然さにびっくり。
クズい先生や視野狭窄なメガネの優等生ちゃんにはかなりイライラさせられたし、将也の小さいころの身勝手さもひどいけど、将也をいじめる側に回った友達も最後まで好きになれなかった。みんな自分勝手な動き方をして、でも気を使って動いたら裏目に出たりして、だからうまくいかない。それがとてもリアル。

難しい問題に、よくここまでまっすぐ取り組んだと思います。これを少年誌で出していた講談社さんもすごい。
そして、それをとてもさわやかにまとめきった手腕もお見事。
是非いろんな方に読んでほしい、名作です。

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