沈黙の艦隊のレビュー

61位:沈黙の艦隊

作者:かわぐちかいじ
出版社:モーニング
発売日:1989/12
完結済み


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あらすじ

日本の近海で海難事故が発生した。千葉県犬吠埼沖で、海上自衛隊の潜水艦「やまなみ」がロシアの原子力潜水艦と衝突し沈没、「やまなみ」艦長の海江田四郎二等海佐以下全乗員76名の生存が絶望的という事故の報道は日本に衝撃を与える。しかし、海江田以下「やまなみ」乗員は生存していた。彼らは日米共謀により極秘に建造された原子力潜水艦「シーバット」のメンバーに選ばれ、事故は彼らを日本初の原潜に乗務させるための偽装工作であった。
アメリカ海軍所属となった日本初の原潜「シーバット」は、海江田の指揮のもと高知県足摺岬沖での試験航海に臨む。しかしその途中、海江田は突如艦内で全乗員と反乱を起こし、音響魚雷で米海軍の監視から姿をくらまし逃亡。以降、海江田を国家元首とする独立戦闘国家「やまと」を名乗る。さらに出港時「シーバット」は核弾頭を積載した可能性が高い事が発覚。
アメリカ合衆国大統領ベネットは海江田を危険な核テロリストとして抹殺を図る。海江田は天才的な操艦術と原潜の優れた性能、核兵器(の脅威)を武器に日本やアメリカやロシア、国際連合に対抗してゆくこととなる。


類をみない戦略的漫画。
ちょっと、他の漫画とは一線を画す戦争漫画ですね。一人の男が日本の現状を憂いて起こした革命を描いてます。
核による相互確証破壊という概念を利用した原潜による世界平和を実現しようとする主人公の海江田を艦長とする最新鋭の原潜「シーバット」が世界の原潜を相手に戦略と心理戦をもちいて勝利する潜水艦バトルは圧巻です。
でも、一番の読み応えがあるのは、原潜一機だけで世界の大国を相手に政治的駆け引きをする場面が私は大好きですね。
原潜一機だけで世界の様々な政治システムを乗り越えて、新しきシステムを考案していく人間達の熱さは、今の政治家から感じられないものがあり、人間の熱さを教えてくれる気がします。

最後には他国の戦略原潜を従える状態になるとは、夢にも思いませんでした。
こんな核拡散防止策が実現できれば、世の中の軍事バランスが変わって面白いのなー。

amasonから気に入ったレビューを抜粋

今なお、読みごたえあり!

結論から言うと、いい作品です。
日米間の思惑、人間の感情をうまく表現している。
また、潜水艦という水面下でのチェスゲームのような展開は、
今もなお新鮮です。

何のための「やまと」か。
それはこれ以降の巻を読んで、深めて行きます。

社会派漫画ではトップクラスと思います。

面白い!

すごく続きが気になる導入。
潜水艦内の様子もしっかりと書けていて、こういうのが好きな人にはたまらない作品だと思います。
織田裕二あたりで映画化すればいいのに。

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