クロスゲームのレビュー

69位:クロスゲーム

作者:あだち 充
出版社:少年サンデー
発売日:2005/9/2
完結済み


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Amazonmaou

あらすじ

主人公はスポーツ用品店・キタムラスポーツの一人息子である樹多村 光(以下「コウ」と記述)。近所のバッティングセンターを営む月島家(父親と長女・一葉、次女・若葉、三女・青葉、四女・紅葉)とは家族ぐるみの付き合いであり、同い年の若葉とは特に親しかったが、その反面2歳年下の青葉とは犬猿の仲だった。
初めは野球に興味がなかったコウだが、青葉の投球フォームを見て憧れ、人知れずトレーニングを始める。そして小5の夏、若葉が突然の事故で亡くなる。


数あるあだち 充先生の作品の中から一つだけ選ぶとしたら、このクロスゲームが一番好きですな。
ボクシング漫画のカツも捨てがたいんですが、あだち 充先生の描く野球漫画は大好きなんですよ。

ストーリー展開は、ありがちな感じはするんですが、なぜかはまり込んでしまう。やっぱ、憧れの青春を見せつけられていることが大きい。
なんといっても、幼馴染という設定が汚い。現実で幼馴染に学年一カワイイ女の子が存在ありえない、羨ましすぎる。そんな女の子から応援されれば、どんな競技でも努力しちゃうよね。

で、クロスゲームでは幼馴染の若葉が突然の事故で亡くなるという悲劇が描かれています。この女の子に褒められて始めた野球を通して物語は進んでいきます。
ヒロインは若葉の妹青葉ですが、最初は主人公の樹多村 光と犬猿の仲。当初はガミガミと光を罵倒する男勝りの女の子が、ラストは。。。

だた、つかず離れずの甘酸っぱい青春ストーリーだけでなく、野球のほうも甲子園を目指して、熱い物語が描かれています。
もうね、憧れの青春がすべて詰まってる漫画ですよ

amasonから気に入ったレビューを抜粋

やめられないんだなぁ〜、これが

いくらおもしろくても、同じことの繰り返してつまらなくなってしまうこと。それを一般的には「マンネリ」という。
あだち充の長編作品は、たしかに「同じことの繰り返し」である。野球、恋、少年、幼なじみ、天才、ライバル。
これらの要素に、例えばあと「双子」を付け加えたら「タッチ」であるし、野球を「水泳」に変換すれば「ラフ」になる。

では彼の作品群は「マンネリ化」しているのかというと、そうではないと思う。
なぜなら、相も変わらず私たち読者は、彼の作品世界に引き込まれてしまうからだ。
彼のやっていることはマンネリではない。
それはひとつのスタイル、十八番というやつだ。
我々読者はあだちのマンガが、彼独特ののほほんとしたストーリーテリングと、シリアスな場面はシリアスに描く
その緩急の使い分け―名づけるならば「あだち節」―を求めているのではないかと私は思う。それはもう依存症のごとく。

その「あだち節」と同時にあだちファンが彼のマンガに求めているもののもう1つは、ノスタルジーあふれる「羨ましいシチュエーション」だ。
私たちは、「自分もこんな青春すごしたかった〜」と羨ましがりながらあだちマンガを読みたいのである。

しかしだ。そんな中でも今回の「クロスゲーム」の第一巻、なんだか「変」だ。
ふつう羨ましがるにも段階が必要だ。
これまでの作品では、はじめは主人公たちの人間関係も、恋の行方も、もっとギクシャクしていて「先行き不透明」ではなかったか。
だのに今回はいきなり「フルスロットル」。この作品にはすべてが満たされた(ように見える)世界が広がる。
読者はもうすでに一巻において羨ましいどころか「羨ましすぎるシチュエーション」が出来上がっているではないか、と思うのである。
すべてを読み終えるまでは。

あまりにも当たり前すぎて、そのかけがえのなさに気づかなかったもの。
その喪失からこの物語は始まる。

並べた時にオレンジと緑が書店で目立つ、そろえたくなる漫画

タッチです。
これが第一印象。
凝縮タッチ、キャラ入れ替え版
これが今の印象。

タッチは正直、最初の10巻くらいはダラダラしていて、たっちゃんは野球をやらないし
ちょっと、いやかなりダレ気味です。
あれが面白くなるのはかっちゃんが死んで、たっちゃんが野球をやり始めて
どんどん上達し
甲子園がいよいよ目前になってくる、ってな時期にかけてです。そこらへんがもう
素晴らしいマックス。
このクロスゲームはタッチの10巻までを、たった1巻でやっちゃいました。
そして、死んだのはかっちゃん女版みたいな、優秀で奇麗で自慢のお姉さん。
ま、それが子供時代で、そこから残された子供たちが
お姉さんの事を思いつつ成長していくわけです。

これは1巻2巻あたりの頃はそんなに人気がなかったように記憶してるんですが
今は大人気ですよね。すごく理解できるんです、それ。
この漫画は一気読みしてほしい。あだち充さんの漫画はとにかく背景や間が多くて
あまり進展がなくテンポが遅い。1冊のセリフも少なめなので
あっというまに読めてしまう。
これは一気読みにとても適してるんですよね。
クロスゲームも6巻くらいからぐんぐん面白くなります。

主人公の男の子はたっちゃんとH2のヒロを混ぜて、ちょっとのんきにした感じの男の子。
いや、あまり変わらないかも…。でもあだち作品の中では一番好きな男の子です。
そして相手の女の子が、タッチだと新田由香みたいなツンデレといいますか。
朝倉南とは正反対のキャラで、しかも女の子なのに野球をやります。
これが今までとは違う新しい試み。

この二人のやりとりや、生活感がすごく好き。
やっぱり幼なじみを書かせたら
この作者の右に出る者はいない!

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