軍靴のバルツァーのレビュー

50位:軍靴のバルツァー

作者:中島 三千恒
出版社:BUNCH COMICS
発売日:2011/7/8
連載中


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あらすじ

第一次ノルデントラーデ戦役における戦功で通常より3年も早く佐官に昇進するなど、順風満帆な出世コースに乗っていたベルント・バルツァーは、ある日、上官から突如として祖国ヴァイセン王国の同盟国、バーゼルラント邦国の王立士官学校に軍事顧問として出向するよう命じられる。
バルツァーは渋々ながら命令を引き受けたが、軍事大国ヴァイセンから見れば「軍事後進国」であるバーゼルラントは、バルツァーの想像以上にお粗末な訓練を行なっていた。バルツァーは勝手の違う異国で四苦八苦しながらも士官学校の生徒たちを鍛え上げていくが、その中でバーゼルラント王室の宮廷闘争に巻き込まれてしまう。宮廷闘争を煽っていたのは、かつての友人で、クーデター未遂事件を引き起こして逃亡していたルドルフ・フォン・リープクネヒトと、彼を庇護しているヴァイセンの対立国・エルツライヒ帝国だった。本国からの命令により、バルツァーは親ヴァイセン派のアウグスト王子を補佐しつつ、バーゼルラントを同盟国として繋ぎ止めるために奔走し、その姿を見て、アウグストや士官学校の生徒たちは、次第にバルツァーへの信頼の念を抱くようになる。


同盟国へ軍事顧問として派遣された主人公のバルツァーが知略を駆使して活躍する戦争・政治漫画。
派遣された先が軍事学校で、当初は学校の先生として生徒を教える立場で、生徒相手にアタフタしている状態でしたが、生徒と同盟国の王子の信頼を得るようになってからの政治的な駆け引きが面白くなってきます。
しかも、軍事的展開もあり、バルツァーの指揮力の高さが光りますね。

バルツァーは正義にまい進する姿もありますが、祖国の国益を最優先するという軍人でもあります。
さらに、自分の昇進にも関心があり、人間らしさが描かれてあって感情移入がしやすいです。

武器の時代背景は、第一次世界大戦前ぐらい。
騎馬が銃器に駆逐される時代になろうとするあたりで、軍事戦略が近代化する時代を想像して読むとちょうどいい感じですね。
4,5巻あたりで描かれてある局地戦はまさに時代が変わる戦争を描かれてあります。

政治的な駆け引きと戦争の駆け引きが読めるうれしい漫画の一つです。
まだまだ巻数は少ないですが今後に期待をしています。

amasonから気に入ったレビューを抜粋

盛り上がりそうな予感

優男の表紙に反して、なかなか密度の濃い漫画。

舞台は、小銃がマスケットからライフル銃に更新され、電信と鉄道が前線と本国の距離を急速に縮め始めた時代のヨーロッパ風架空世界。
軍事大国のエリート士官である主人公が、戦争と無縁の小王国に軍事顧問として派遣されるも、主人公と王国の人間では戦争に対する意識のギャップが大きすぎて一波乱…が粗筋。

大砲発射の手順やライフル銃の優位だけでなく、軍装や世俗など細かい部分も真面目に描かれており、大国の思惑や王国内部の不穏な空気、王族同士の軋轢など面白くなりそうな伏線がアチコチに。
今後の盛り上がりに期待できそうな漫画です。

なお、舞台が士官学校だけに出て来るのは男ばっかりなので、漫画に女子を求める方は覚悟しておいた方がいいかも。皆無では無いものの、ほとんど出て来ません。

…たまに出てくるのがワルキューレのコスプレだったりするんですけどね。

素人でも読みやすい近世西洋軍事漫画

店頭にてお試し小冊子を読み、少し気になって数日後に購入しました。
非常におもしろいです。まだ一巻しかでていないのですがかなりハマりました。

作者はこの本を描くにあたりかなり綿密に調べていると思われ、
街や士官学校での訓練の様子など細かく描かれていて非常に興味深いです。
私は歴史や軍事に詳しくないのですがとっつき難さなどまるでなく、ストーリーを楽しみながら読めました。

そして巻末に作中設定の豆知識が1ページだけ載っているのですがこれを読んでから本編を読み返すとまたおもしろいです。

とても丁寧に描かれていて、バルツァー少佐の性格にも好感が持てます。

長く続いて欲しい作品です。

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